真面目に生きた者たちの未来
2116年——
地球滅亡まであと1週間。
小惑星「アポカリプス」はすでに地球の重力圏に入り、避けることは不可能だった。
その衝突エネルギーは、恐竜を絶滅させた隕石の10倍以上。
大気は燃え上がり、地表はマグマに覆われ、海は蒸発する。
だが、地球のすべてが終わるわけではなかった。
湊が選んだ200万人の移住者は、次々と火星へ送り込まれていた——。
真面目に生きた者たち、火星へ
🚀 火星移住シャトル《ホープ01〜100》
- 最後の1週間、昼夜を問わず地球と火星を往復
- 毎便2万人が乗り込み、安全な火星の地へ
移住者たちは、不安と希望が入り混じった表情を浮かべていた。
🛠 あるエンジニアの言葉
「俺は地球でずっと水道工事をしていた。
金持ちの家のプールを修理しながら、ろくに水も飲めない奴らを見てきた。
でも、火星には新しい生活がある。今度こそ、皆が平等な世界を作りたい。」
👩🏫 ある教師の願い
「地球では教育がビジネスになっていた。
裕福な子供だけが高等教育を受けられ、貧しい子は未来を奪われていた。
火星では、本当に頑張る人が報われる社会を作りたい。」
🚜 ある農家の決意
「ずっと地球で畑を守ってきた。
でも、大企業が土地を買い占め、俺たちの食べ物まで支配していた。
火星では、俺たちが作るものを、俺たちの手で守るんだ。」
彼らは「選ばれた者」ではない。
ただ、真面目に、誠実に生きてきただけの人々だった。
しかし、その努力が報われる時が、ようやく訪れたのだ。
権力者たちの崩壊
🌍 地球・最後の都市「ネオ・トーキョー」
移住シャトルの最終便が発射された後も、地球にはまだ1000万人以上の人々が取り残されていた。
そのうちの90%は、支配層や富裕層だった。
💰 元・地球連邦大統領の絶望
「おい! 私は地球政府の最高権力者だぞ!
どうして私を乗せずに発射した!? 火星政府に連絡しろ!!」
「……すでに通信は遮断されています、大統領。」
彼の側近たちは次々と逃げ出し、気づけば孤独だった。
💎 大富豪たちの混乱
「私は資産100兆円を持っている!
火星政府に献金する! だから乗せてくれ!!」
「申し訳ありません。すでに移住者リストは確定しています。」
「バカな! 私の金で移住する計画を立てたのではないのか!?
なぜ私が拒否されるんだ!!」
「火星には、あなたの金は価値がありません。」
💀 独裁者たちの最期
「我々には核ミサイルがある! 火星を脅せば移住を認めるだろう!」
「無理です。すでに全世界のミサイル発射システムは機能を停止しています。」
「そんな…… じゃあ我々は……」
権力と富に溺れ、何も生み出さなかった者たちは、最後まで「自分が特別である」と信じていた。
だが、火星政府は彼らに「価値がない」と判断した。
地球最後の夜
☄️ 2116年3月15日 23:59(地球時間)
小惑星アポカリプスが、大気圏へ突入した。
地上には、無数の豪華なビルや宮殿があった。
しかし、そこに住む権力者たちは、一人残らず絶望の中にいた。
「まだ助かる方法はあるはずだ……!」
「宇宙船は!? どこかに逃げられる場所は!?」
「神よ…… 私をお救いください……!」
だが、何も起こらない。
彼らが支配してきた地球は、今まさに燃え尽きようとしていた。
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