大気改造計画:火星に酸素を増やす
大気改造計画:火星に酸素を増やす
火星の大気は二酸化炭素(CO₂)が95%。
人間が呼吸するには、酸素を20%以上に増やす必要がある。
「植物に光合成をさせて、酸素を作る。だけど、火星の環境じゃそのままじゃ育たない……。」
湊は、地球から持ち込んだ遺伝子改良種の植物を利用することにした。
✅ 耐寒性強化シダ植物 → 極寒環境でも育つ、酸素生産量が高い
✅ 藻類 & シアノバクテリア → CO₂を吸収し、酸素を大量に放出
✅ 火星仕様の松の木 → 地下に根を張り、水を蓄える能力がある
「まずは藻類から試してみるか。」
温室の水槽に藻類を投入し、二酸化炭素を供給。
LEDライトを当て、成長を促す。
すると、わずか2週間で水槽の中に酸素の泡が発生し始めた。
「よし、光合成はうまくいってる。次は屋外に広げる方法を考えないと。」
「バイオドーム計画」:火星の土地を緑化する
火星の土には植物が育つための栄養がほぼない。
そのため、湊は次の3つのアプローチを考えた。
① 土壌改良
- 火星の砂をフィルターで処理し、有害物質を除去
- 地球から持ち込んだ微生物を使い、土に栄養を加える
- 窒素を固定する菌類を培養し、土壌を活性化
② 気密式バイオドームの設置
- 直径30mのドームを3Dプリンターで建設
- 内部を温室にし、適切な気温と湿度を維持
- シダ植物と低木を植え、CO₂を酸素に変える環境を作る
③ 火星の地下水を利用する
- ローバーで地下氷を探査し、採掘
- 核融合炉の熱を使って氷を溶かし、ドームに供給
- 雨のない火星でも、水循環システムを構築
「この3つが揃えば、火星に森を作ることができるはずだ。」
初めての火星の「森」
半年後——。
バイオドームの中には、青々としたシダ植物が生い茂っていた。
湿度も上がり、酸素濃度は20%近くに達した。
「ついに……火星で初めての森ができた。」
ドームの中では、人工の雨を降らせる装置が稼働し、小さな生態系が形成されつつあった。
しかし、湊はここである疑問を抱く。
「……この森、外に広げられないか?」
火星全体を森林化する「テラフォーミング計画」
湊は「バイオドーム」の技術を応用し、火星全体に広げる方法を考えた。
① 巨大バリアの設置
- 火星の大気はすぐ宇宙に逃げてしまうため、超軽量ナノカーボンバリアを設置
- ドーム内の酸素を保持し、大規模な森林を作れるようにする
② 火山の活用
- 火星のオリンポス山(太陽系最大の火山)に核爆弾を仕掛け、噴火を促進
- 温暖化を加速させ、大気圧を上げる
③ 植林ロボットの投入
- 自律型ロボットを開発し、数万本の木を火星中に植える
- 耐寒性を持つ遺伝子改良樹を選び、根を張らせる
「ここまでやれば、火星は緑の惑星に変わる。」
火星の森の中で……
ついに、火星に最初の本物の森林が誕生した。
バイオドームなしでも、生き残る木々が増えていく。
西暦2107年。
湊が火星に降り立ってから2年が経過した。
彼の「火星緑化計画」は成功し、バイオドームの数は100基を超え、火星の酸素濃度も上昇。
火星の大地には松の木やシダ植物が生い茂り、人工的な湖や川も作られ始めていた。
しかし、そんな彼の成果に目をつけたのは地球政府だった。
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