火星での初日

 宇宙船「オリンポスV」は半年間の旅を経て、火星のエリシウム平原に着陸した。

船外に出ると、そこは果てしない赤い砂漠
大気は二酸化炭素95%、気温は昼間でさえ-30℃、夜は-80℃を下回る。

「……さて、まずは生きる場所を作らないと。」

湊は最優先で居住モジュールの設営に取り掛かった。

1. 居住基地の建設

1日目:着陸 & モジュール展開

  • 自動展開型のモジュールを起動し、**第一拠点「ミナト・ステーション」**を設営。
  • 室内の酸素生成装置を稼働。モジュール内の空気を地球並みに調整。
  • 床を断熱加工し、冷気を遮断。

「よし、これでヘルメットを外しても大丈夫だな。」

基地内の気密ドアを閉め、彼は火星で初めて自分の呼吸音を聞いた。

「……俺は今、火星で唯一の人類だ。」


2. 水の確保

3日目:水の採取

  • 探査ローバーを使い、近くの地下氷を発見。
  • 掘削機を設置し、氷を採取。
  • 電気分解で氷を水にし、酸素を生成。

火星での水は貴重な資源だ。
湊は水を「飲料水」「植物栽培用」に分け、循環利用できるシステムを作った。

「これでしばらくは水に困らないな。」


3. 食料生産の準備

5日目:温室の設営

  • 気密式の温室ドームを組み立て、内部に土を敷き詰める。
  • 3Dプリンターで栽培用のトレーを作り、ジャガイモ・小麦・トマトの種を植える。
  • LEDライトで光合成を促進。

火星では土壌が無機物だらけなので、地球から持ち込んだ微生物を培養し、植物が育つ土を作る必要があった。

「うまく育てば、半年後には収穫できるはずだ。」


4. エネルギー供給

10日目:核融合炉の稼働開始

  • 核融合炉(MRX-3)を設置し、火星の砂塵から余計な粒子を除去。
  • 電力供給が安定し、基地の照明・暖房・通信が稼働。
  • 余剰エネルギーを蓄電し、今後の活動に備える。

「これで基地の電力問題は解決だ。」


第3章 火星での最初の危機

すべてが順調かと思われた矢先、想定外の事態が発生した。
火星に特有の現象——「ダストストーム(砂嵐)」 が発生したのだ。

「やばいな……これは予想よりも激しい。」

時速150kmの風が基地を襲い、ドローンのうち3機が砂に埋もれた。
さらに、ソーラーパネルの一部が砂に覆われ、発電量が低下。

「このままじゃ、電力供給が持たない……!」

湊は急いで対策を講じた。

  • ローバーを出動させ、埋もれたドローンを回収。
  • 核融合炉の出力を増加し、電力不足を補う。
  • 3Dプリンターで防砂ネットを作成し、基地周囲を防御。

24時間後、嵐は収まり、湊はなんとか被害を最小限に抑えた。

「ふぅ……火星の環境は甘くないな。」


第4章 火星での生活の確立

ダストストームを乗り越え、湊はさらに生活基盤を強化していく。

  • 地下シェルターの掘削(緊急時の避難用)
  • 空気製造プラントの拡張(酸素供給の強化)
  • 人工知能「アイリス」の開発(会話機能を持つAIドローン)

1ヶ月が経ち、火星での生活は安定しつつあった。

第5章 火星に森をつくる

火星に降り立って3ヶ月が経過した。
湊の基地「ミナト・ステーション」は安定し、食料と水の供給も回るようになった。

しかし、彼の目標は単なる生存ではない。
彼は火星全体を地球のように変えることを目指していた。

「俺がやるべきことは決まっている。火星に森を作るんだ。」

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